私の保有銘柄から、エムスリー。私は100円分保有しています。借金0の健全経営と、メディカル分野、とりわけ医師と製薬業界をとりまく領域 (治験、MR、医師薬剤師の転職等) に強く、この分野では他社を大きくリードしているのが魅力だと思います。一方で、私は昨今のオンライン診療関連銘柄の値上がりについては懐疑的で、短期的にはそのうち急落すると予想しています。
私がエムスリーで魅力的だと思うのは、エムスリーがこれまで行ってきた元々のビジネスで、オンライン診療ではありません。
- m3.com: 医療に関するニュースや医師同士の情報交換をサポートするメディア。学会や研究会に近い位置づけであり、追い風となる事業と考える。
- MR君: 製薬会社から医療機関に派遣され、企業の製品を紹介する「MR」の役割を担うメディア。このMRが元々は病院関係者と癒着するなどして問題になったり、地方病院等ではMRの情報が得にくい等といった情勢があった。コロナ禍において、追い風となる事業と考える。
- エムスリーキャリア: 医師や製薬業界、薬剤師に特化した転職支援サービス
これらの事業の収入源の一部はスポンサーの製薬企業からの広告と予測される。この方法のほうが人のMRを派遣するより費用が安く抑えられることから、製薬業界にとっても割に合いそうな内容と考えられる。従って、安定した成長を見込める優良企業と私は考える。
一方で、コロナ禍でオンライン診療銘柄が注目され、株価が上昇する傾向にある。
オンライン診療については、私は懐疑的だ。なぜなら、医者は患者の言葉を鵜呑みにしないから。患者が言っている言葉を聞くことはすれど、基本的には、医者は、自身の診察や、分析結果等から客観的に判断するもの。医者が評価するに値する情報を、素人である患者が遠隔でどれくらい用意できるか、という問題があると思う。カウンセリングや、簡単な方法で情報を渡す技術でもあれば良いが、医師、看護師、技師等と違う場所で、患者自身で医者が何かしらの判断ができる情報をとることは技術的に難しいのではないかと私は思う。例えば、健康な患者が自力で自分のレントゲン写真を撮ったとして、果たしてそれが評価のできる写真になるだろうか?他方では、私は、新型コロナウイルス関連の、自身で採取するタイプのPCRキットを否定的にみている。理由は、測定や解析する側がちゃんとやっても、患者側が正しく試料を提供できなければ意味がないから。私は生命科学関連の研究者なので、医療の知識は医者にははるかに劣るものの、一般人全体で見たら高い部類になるかと思う。私の視点で言えば、大多数の一般人の医学の知識は、決して褒められたものではないと思う。故に、オンライン診療には懐疑的である。
株価が上昇する一方で、信用買が増加している傾向がある印象。もし、現物でもって、長期保有するなら問題ないのだけれど、信用買いで買った場合は、通常売られる (現引することもできるが) わけで、その数の売りがどこかで入ることになるため、短期的にみると下がると私は考える。先週あたりも、出来高上位銘柄にエムスリーが含まれていた。これは、流行を追って機関投資家と、短期保有者がたくさん参入してきた危険な状態だと思う。時価総額等に対して、トップ30入りするのはフィーバーしすぎではないか、と考える。
2020年9/23日時点で確認できる情報
1,693,700 信用残(売) 848,700 前週比(買)
800 前週比(売) -58,000
信用倍率(倍) 2.00倍
故に、私は、エムスリーは健全経営かつ魅力的な事業を持つ優良銘柄で、長期的な成長が見込まれる銘柄であるけれど、短期的には「オンライン診療バブル」で急落のリスクがあると考える。なので、下がる方を待つ作戦です笑