私は個別株の運用を長期と短期の両方で行っていますが、特に短期では、チャートより株板と信用買と売りの割合が重要だと考えています。最近割とコンスタントに月間資産の1%超の利益をだしてますが、その秘訣は心理戦の心得だと思います。どういう客層の人がその銘柄にいて、その人たちがいる場所でどんな駆け引きが行われているのかを把握すれば、次の手を予測し対人駆け引きを制する (利益を出す) ことにつながると思います。具体例を挙げていきましょう。
ここではレーザーテックと大東建託 (いずれも東証1部) を例に挙げます。チャートは楽天証券が提供するiSpeedのモバイル版を使用しています (無料、私が普段利用している取引ツール)。ちなみに私の場合は、チャートのロウソク足はほとんど気にしてません。
具体例1、レーザーテック
まずはレーザーテック。ファンダメンタルとしての特徴は、半導体の検査装置で、シェア100%を誇る企業で、無借金経営の健全経営に、コロナ禍で利益を出し続ける企業。コロナ禍においては、半導体関連銘柄の多くは、成長性を見込める「グロース株」として扱われている傾向があります。
チャートを見ると、2019年から見ると、株価は10倍くらいに上昇。しかし、2022年の1月に最高値を記録して以降、急落をして、2月18の週まで下落傾向。問題は、これを底と見るか、まだ下がると判断するかという点。
こちらが株板。2022年2月18日。注目はoverとunderの比。前日から2%下落後の時点で、over:under=3:2~1:1前後となっている。この日は一時20800円台まで下落し、徐々に上昇する値動きだった。いったん下げてから上がっている。このことから、①大幅に下がったときに、今日で空売りがそれなりに増えたが、上昇したためホールドしている層が増えた (under)。②それでもoverのほうが多いので、急落後に買玉を処分できずホールドしている人がそれなりにいる、と私は推測する。先週からの信用買と信用売の残高の変化。見ると先週より買い残りが増えた。おそらく、前週の下げに、信用買いを追加したがリリースできなかった人が増加し、もともと買玉が残っていた人の多くがホールドのまま。下落したので売玉は減った。
これらの指標で察することは、「上昇すると期待して買い建てたが含み損を抱えた人」はホールド状態がそれなりにいる。所謂この層がファン層で、この銘柄を特に支えている人。ファン層がホールドしたままなので、新たな買い支えの力が弱まり、上昇の力が落ちると考えた。一方で、ニワカ勢は既に手放しており、現時点では様子見の傾向と思われる。売玉は、下降トレンドと考えて売りで入った短期勢と、現物持ってる人のヘッジ売りと推測した。ここ数日値動きが拮抗している傾向にあるので、「(ファン層の買い支え+信用売の買戻し)と(新規信用売り+損切含むこの銘柄の斬り捨て)が拮抗した状態」と考えた。従って信用買しているプレイヤーは、何かのきっかけで不安になり、狼狽売りをしやすい土壌だと思う。すると何かのきっかけで急に下がったら、信用買いホルダーの損切が進み、一気に落ちると見た。そこである程度踏み損を抱えながらホールドし、この日私は売玉を処分し利益を出した。
具体例2、大東建託
次に大東建託。良い部屋ネット等、賃貸住宅の仲介と、大家さんとのサブリース等が柱の銘柄。配当利回りが良く、株主優待も充実している銘柄。所謂バリュー株と言われるカテゴリに属する銘柄。
チャートを見ると、2020年中ごろまでは減少傾向にあり、そこから上昇しつつある印象。問題は、現在を天井と見るか、まだ上がると判断するかという点。
板を見るとover:under=3:2前途で、割合はレーザーテックの例とよく似ている。この日は一旦下がって、その後上がり、もう一度下がるような動きだった。先週からの信用買と信用売の残高の変化。見ると先週より売り残りが増えた。そして圧倒的に売り玉のほうが多い。従って、この銘柄の場合は売建が圧倒的に優位。直近で逆日歩も発生している。それでも価格が急落していないのは、配当&優待が充実した銘柄のため、「現物買い+ヘッジ売り」の組み合わせが多い銘柄と考えられる。従って、ニワカ層は少なく、ファン層が中心に動いている銘柄であろうと推定できる。なので、ボックス相場になりやすいと思う。
前述のとおり、「現物買い+ヘッジ売り」が多い印象。なので短期的にみると、ボックス相場の銘柄で、上下に動きやすいが戻りやすい銘柄な印象。一気に動かして戻るみたいな動きが多い。なので、3月、9月の配当落日を意識して上下する傾向があると考えられる。現時点で現物を持っている人が信用売でヘッジをかけている状態だとすると、メインで売買している人には余裕がありそうで、狼狽売りは起こりにくく、落ち着いた動きをするのではと思う。従って、ボックスの波の上と下を掴めば利益を期待できると考える。
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