最近勝てる投資家、上手な投資家はどんな人、などと聞かれることが増えた。一部の人は、「大きな利益を上げた人」や「運用規模が大きい人」をあげることが多いが、私はそうではないと思う。運用規模が大きい人や、ある期間にあげた利益が大きい人の事ではなく、長く市場に留まり、安定して利益を出し続ける人が、勝てる投資家、上手な投資家だと思う。芸人としては「一発屋芸人」ではなく、「長年ステージにいる芸人」にあたるような状態であろう。私は投資家として5~6年続けて、毎年黒字運用を達成してきた。自身の運用や他者の運用の考えを聞いてみて、長く市場で戦える、上手な投資家、勝てる投資家とはどんな人か考えたとき、私は3つの特徴があると考える。
1. 自分で判断する
判断は基本的に全て自分で行う。勝てる投資家というのは、自分なりの判断基準をもっていて、○〇という投資判断をした。その理由は~である、等と説明できる。以下のようなことをやっている場合は、自分で考えていないと言える (判断を人任せにしている)。自分で判断しない限り成長しないと私は思う。
- ○〇さんが言っていたから~する/ その逆をやる
証券会社が言っていたから、目標価格が~だから、教科書的には~だからなど - 銘柄を妄信/酷評 (神銘柄/クソ株などというなど)
- 他人 (他の人、銘柄、証券会社、世界情勢など) のせいにする
- 他人と相談して売買を決める (対面証券の人は自分の担当やその証券会社の人以外との相談)
- 他人にマウントをとったり、投資家としての序列を決めたがる (そんなもの無意味で、自分が利益を出せるか、そうじゃないかが全てだし、利益が出せることが偉いわけでもない)
2. 運用資産規模と利益が相関する
上手な投資家は、運用規模が大きくなるに伴い、利益の総額も大きくなる傾向がある。年によって良い年、悪い年はあるが、勝てる投資家というのは、損益や含み損等を相殺して利益にする立ち回りを心得ていることが多い。運用規模が大きいほど、失敗をカバーできる、という具合である。逆に言えば、運用規模に伴い、損益が増えるようであれば (単にリスクが大きくなっているだけであれば)、投資家というよりギャンブラーと言ってよい。確率1/2の勝負 (上がるか下がるかの二択) の範疇にいる限り、それはギャンブルであり、投資というには物足りないと私は感じる。
3. 損切のタイミングを選べる (むやみに追証をくらわない)
上手な投資家は、自分が運用できる資産の規模を把握している。従ってむやみに追証を発生させたり、強制反対売買になりにくい (強制的な損切を食らわない)。上手な投資家は、余力が充分に残っている場合の取引と、余力が少なくなって追証が近い場合の取引をちゃんと分けて考えている。余力をコントロールしているので、株取引が気になって他がみえない等ということが起こりにくい。むしろ他が見えなくなるようであれば、リスクを取りすぎ (運用規模が身の丈に合っていない) ている。特に、1日に取引できる最大限度のお金を取引に動員するようなやり方 (フルバースト) は、実質ギャンブルであり、投資家として成長が見込めないと思う。なぜならフルバーストだと、すぐ余力に引っかかるので、自分のタイミングとは違うタイミングで強制的に損切を強いられる可能性が非常に高く、自分のタイミングで損をコントトロールする習慣がつかない。損切するタイミングをコントロールするのが、上手な投資家、勝てる投資家に必要なスキルだと思う。
まとめ
一言で総括してると「自分で考えているか」ということである。株の掲示板などのコメントを見てみると、簡単なことのようで、実際やるのは簡単ではないのでなないか (現実問題できていない人が多いのでは) と思う。勝てる投資家、上手な投資家とは、資産規模が大きい人でも、瞬間的に利益をたくさんあげた人でもなく、退場せずに長く市場に残り続ける人だと思う。こういう人が退場せずになぜ長く市場に残れるかと言われたら、運が良いからではなく、考えているからなのだと思う。結果を出し続ける投資家に、カリスマの言う通りやったという人や、教科書に書いてある通りにやりました等という例を私は知らない。最初は誰かを参考にすることはあっても、勝てる人は必ず自分の基準を持ち、自分で考えて行動するものである。だから、このブログを読んで私に興味を持った人には、自分の考えを持つことを勧めたい。私 (も含めた他人) の運用や考え方もあくまで一例であり、結果として誰かの運用を確立するための糧になれば幸いである。